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「内輪の恥」の核心へ到達しよう!(Getting to the Skeletons in the Closet!)

Counseling Insights, October 31, 2005


占星術的には、土星と冥王星の関わりはおそらく最も厳しく、(ホロスコープの主の)精根を尽かせ衰弱させ得る象徴的な組み合わせと言えるでしょう。土星−冥王星の組み合わせを分析時にうまく捕えるイメージを私は長年持っています。それは「内輪の恥」というイメージです。これまで何百回、何千回となく目にしてきた、出生図の土星−冥王星のコンジャンクション、スクエア、オポジション、クインデチレアスペクトは、成長初期における「内輪の恥」を暗示しています。

クライアントとの会話の中で占星家は「思わぬ障害」、言ってみれば氷のように冷たい混乱(動揺)の焦点があるのに気がつくことが非常に多くあります。しかし、会話に関する洗練された徹底的技術を習得するまでは、その核心には容易には到達できません。(この記事に続き、同部門のアーカイブ記事をぜひ参照ください。そのような技術を共有できる多くの記事があります)。

牡羊ポイント(柔軟宮29度から活動宮1度まで:「Analytical Techniques」アーカイブの 牡羊ポイントについての記事を参照ください)が土星/冥王星(ミッドポイント)へと進み、その配置を体験する時、何が起こるかに注目してみてください。

牡羊ポイントが関わり構成されるいかなる配置も、まるで魔法のように表面化することを私たちは知っています。このことから、「AP=土星/冥王星は、土星−冥王星の「結び目」をほどく助けになる」と論理的に考えることができます。そして、実際にそのように機能するのです。

ここ数年、AP=土星/冥王星 [牡羊ポイントに対し 土星−冥王星のミッドポイントが?_、□、?c、クインデチレ] を持つ出生図を見るたびに、私は紳士的かつおごそかに「人生初期の『内輪の恥』は、どんなことでした?」と尋ねるようになりました。

もちろん、その質問で険悪な雰囲気にならぬよう、抜かりなくリラックスした態度で尋ねます。「初期の家庭環境に暗示されている『内輪の恥』とは、どんなことでしたか?」

素晴らしいことに、クライアントは率直かつオープンに、また時には吐露自体が救いであるかのように、私たち占星家に話す準備ができているのです..!

ごく最近ですが、30歳代の女性のホロスコープに AP=土星/冥王星 がありました。私はカウンセリングを開始し、「ジェーン、あなたがここに来てくれたこと、そしてそのプロセスおける私への信頼に感謝します。実りあるディスカッションにしましょうね。さて、あなたが生まれた時の星配置は、あなたの人生の発展上のさまざまなパターンを魅惑的に示すものです。これもそのパターンのうちのひとつなのですが、...ああ、「内輪の恥」かな。幼少期の家庭環境でのね。..これは、どんなことでしたか?」と尋ねました。

ジェーンはまばたきもせず身をのり出し、そして穏やかに言いました。「ええ、4〜5年の間、父と私の間には性的関係がありました」

「あなたのお母さんは、そのことを知っていましたか?」

「ええ、知っていました。..でも母は、そのことについて決してひと言も話しませんでした」 [この件は当然、カウンセリングにおいて傾聴し追求すべき重大な問題です]

そしていつもこの時点で、私はクライアントを「内輪の恥」の焦点から外します。..非常に慎重に選んだ言葉を使ってです。みなさんもぜひ次の問いかけを覚えてください。「その体験を経て現在へと、あなたを前進させたものは何ですか?」

ジェーンは即座に、語調を強め「私は子供たちのことを、真に理解できます..!」と答えました。

カウンセリングの準備段階で、オリエンタルの月に強い焦点を当てて彼女の職業プロフィールを予測していた私は、滑らかに応答しました。「だからあなたは教師をなさっているんですね..!」

「..。どうしてそれをご存知なんですか?」

「牡羊ポイントが、土星−冥王星の結び目という名のドアを容易に開ける」ことへの信頼に導かれた、短くわずかな会話のやりとりの中で、どれほど重要なことがこのように素早く成し遂げられたかに注目してください。

別の例を挙げましょう。30歳代の男性クライアントですが、上記同様「内輪の恥」について私が言及したところ、彼は即座に「『問題の母』について私に尋ねるのに、あなたがどれほど気を使われたか想像できます。」と言いました。−その体験から彼が体得したものは、彼のこんにちの女性との親密な関係力学に決定的に重要だった(である)ことでしょう。

マーサ・スチュワート [1941年8月3日 午後1時33分 EDT in Jersey City NJ] もまた、AP=土星/冥王星 と、AP=MC/ASC(大衆の評判を得る需要)を持っています。

マーサ・スチュワートは「開いた本」のような人です。彼女はすべてを出版したい(さらけ出したい)のです。

「この『内輪の..』..。いや、勇気を出してお尋ねします。ホロスコープから読み取れる、この『内輪の恥』とは どんなことでしょうか。それはあなたの成長にどのように影響しましたか?今もあなたはそれを抱えていますか?」という質問についての、彼女(マーサ)の答えをあなたはイメージできるでしょうか。

−質問の仕方が、「想定質問(アサンプティブ)」になっていることに注意してください。内輪の問題は存在する、と見なしているのです(「この(this)」という言葉に注意してください)。占星家は、吐露が行われることを前提しています。牡羊ポイントの風変わりな性質が、こういった仮定を教唆し、物事を前に進めます。

−土星と冥王星は非常に動きが遅いため、この2天体のミッドポイントを牡羊ポイントに持つ非常に多くの人々が、「内輪の恥」を言わば身にまとって生まれてきていることになる、という点に注意してください。1941年の終わりの4ヵ月間は、土星/冥王星は蟹座の牡羊ポイントにありました。別の時期としては、1967年の終わり〜1968年の初め、などが該当します。

−まるで「見つけた!(gotcha)ゲーム」のごとく(アラ探しのように)、この調査(研究)に飛び込んではならないことを占星家は肝に命ずるべきでしょう。しかし、これは意外な新事実を喚起する非常に重要な技術です。占星家は、その情報をクライアントと優美(上品)に共有し管理する準備ができていなければなりません。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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