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開け、ごま!−複数のクインタイル (Open Sesame! With Multiple Quintiles!)

Tyl HP COUNSELING INSIGHTS 9/30/2007


クインタイルアスペクトは、魔法のように個々の天体の潜在力を連結します。なぜなら、ハーモニック5(360/5=72) が創造的思考やエネルギーを示すものだからです。− そしてこれは天体あるいは感受点の種類に全く関係なく発生します。第1に考慮すべき要件は「クインタイルが存在するかどうか」です。

72度のクインタイルは通常、個人のシステム全体に浸透し、非常に豊かな表現力ですべてに色を添えます。3つ〜4つ、またはそれ以上のクインタイル(推奨オーブは2.5度以内)がホロスコープにあれば、それらは顕著で確実性があり、かつ効果的なものであると言えます。

私自身のホロスコープには、4つのクインタイルアスペクトがあります。太陽−火星は、私が選択するいかなる方向にも、エネルギーが創造的に発揮・展開されていることを示します。木星−土星は、どんな言動にも目標の創造的焦点が存在することを暗示します。ノード−MCは、言動が多くの人々に創造的圧力をもたらすこと、また聴衆を必要とすることを示します。金星−天王星はミューチュアル・レセプションでもあり、まさに私の人生の主要な焦点である、独特な創造的接触の特徴を示しています。

悪名高きブロードキャスター ハワード・スターンは4つのクインタイルアスペクトを持ち、そのすべてに蠍座の土星が絡んでいます。

もし占星家が私のホロスコープの4つのクインタイルに気付いたら、おそらくカウンセリングの冒頭で「創造性に優れていることが窺えますが、そのはけ口は何ですか?」と訊かれることでしょう。

有名俳優 ダスティン・ホフマンのホロスコープには6つのクインタイルがあります。

クインタイルアスペクトの数は、当人の創造性のスケールを拡大するというよりは、むしろ豊かな創造的機略が人生表現に浸透することを示すものである、という点をここで指摘したいと思います。

クインタイルが少ない(1つのみなど)場合は、そのクインタイルの特質の固有のエッセンスが 単独で注意を惹くことが多いです。例えば、世界で最も思慮深く規律あるゴルファーと評されるタイガー・ウッズはクインタイルを2つ持っており、これらはその象意において最強の働きをしています。土星−冥王星がクインタイル(理想的に言えば、とても勤勉で絶え間ない自己鍛錬を示す出生図におけるアスペクト)で、冥王星は思考の3ハウスを支配しています。さらにこの冥王星は、3ハウス在住の月ともクインタイルを形成しています。

・オーソン・ウェルズの多彩な創造性(映画出演や演出、マジックの実演など)は、3つのクインタイルが相まって意義深く表現されました。なかでも3ハウスを支配する海王星と太陽とのクインタイルが要と言えるでしょう。
・コンピュータ界の天才と呼ばれる ビル・ゲイツのホロスコープでは、2つのクインタイルが非常に効果的に存在しています。思考を表す3ハウスを支配する天王星が水星とクインタイル[技術革新] になっています。
・パブロ・ピカソはクインタイルを1つ持っています。獅子座のアセンダントと木星のこの組み合わせは「エンターテインメント領域」を示し、最も創造的な人格開発の表示と言えます。(木星は月を抱える5ハウスを支配しており、冥王星とコンジャンクションです。これらの特徴はクインタイルの特性に強く影響を与えます)。

このような例は他にもたくさん見つかるでしょう。多くの場合、ルーラーシップもしくは在住というかたちで3ハウスの顕著な強調を伴っています。当人の思考にはクインタイルの「鼓動」が感じられます。つまり、いかに最善の考えを打ち出すかということを重視しているでしょう。

お勧めのクインタイル分析方法があります。アスペクト表の中に3つ以上のクインタイルがあるかどうかを捜します。3つ以上あれば、(理想的には)クインタイルの特性が人格形成の中核で表現されるに違いありません。「あなたの創造的はけ口は何ですか?」と尋ね、それについて話し合うことを心がけてください。

おそらく、たいていの場合、あなたのクライアントは喜んで質問に応答するでしょう。次いであなたは職業についての詳細を聴き、焦点となるテーマが最適なかたちで実現されているかどうかの判断を開始するでしょう。もしくは 職業表現にはあまり関係がなくとも本人が生涯を懸けて行っている重要な活動について語られるかもしれません。南北戦争の防備禄の収集に執念を燃やすタクシードライバーのように、創造性の「道」は人生の主流から外れていることもあります。

クインタイルの働きがもっとも顕著に感じられるのは次のようなケースです。ホロスコープにクインタイルを持つクライアントの中には「私には(創造的はけ口など)何もありません」と言う人もいるでしょう。−そのような場合、この話題に興味を持っていると伝えたのち、私は注意深く「では、あなたの創造的はけ口は何『でした』か?」と質問します。これはかなり痛烈なさぐりです。

あなたのクライアントはこんなふうに答えるかもしれません。「ええ、学内オーケストラでは秀でたクラリネット奏者でした。人材発掘番組で州の最終選考まで行ったこともあります。大学で音楽を学び、音楽教師になりたいと心底思っていましたが、両親に反対されました。」− あなたはクライアントのフラストレーション、感情の鬱積に気付くでしょう。極端な場合、クライアントは涙も流すかもしれません。「その後、結局私は経済学を学んで終わりました。今は銀行員です。..勤務時間の1分1分が嫌で仕方ありません。...そんなこともホロスコープでお分かりになるのでしょうね」

これは、(体系を)巡回するクインタイルのエネルギーを何かが邪魔した、と言い換えてもいいかもしれません。決して個人が怠慢であるとか、自己開発が不充分であるという意味ではありません。おそらく彼らは幼い頃、援助や理解が得られず、表現力に関して不本意な結果に終わったことがあるのではないかと思われます。そのことが人生における希望の実現を阻害しているのではないかと我々は感じがちですが、彼らの多くはそのことを嘆くのでなく、気に留めず、忘れようとしてきたのです。これらのエネルギーについて尋ねることは、人生開発の大きな展望を開くことにつながります。

クインタイルに注目する習慣をつけてください。クインタイルのエネルギーの渦は、人生表現において魅惑的な色彩を生み出すことが可能です。リー・イアコッカは冴えない退屈なビジネスマンだと思われていましたが、彼の広告媒体製作の技量、大衆に対する説得力ある手法は、彼個人のカリスマ性を通してクライスラー(米自動車メーカー)に多大なる活力をもたらしました。よもや彼の4つのクインタイルが見落とされることはないでしょう。

いかがですか?まさに「クリエイティブ・アストロロジー(創造的な占星術)」だと思いませんか..?

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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