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習慣を理解する(Seeing the Habit)

Counseling Insights, August 31, 2008


カウンセリングにおいて、私たちは親の個性の詳細を(時に爆発的に)説明されることが非常に多いです。それらのイメージは、人生の記憶として深く刻み込まれています。それらは現在の言葉、感情、行動の中に強く保持されています。

そのような時、私はよくクライアントに、「そういったお母さんのことを、あなたはどう思いますか?あなたの言う、支配的であなたの人生を奪うようなふるまいを、彼女はどのように身に付けたのでしょう?」と尋ねます。その答えは、時に母に代わっての防御(本気ではない)である場合があります。「それは、彼女の母親がそうだったからです」 −もちろん、そこで私は「手本が遺伝する連鎖」の概念から、類似した特徴を示すクライアント自身の振る舞いを捜します。私たちは皆、人生初期の家庭生活のモデル的性質やトーンを繰り返す傾向を持ち、通常同性の親のふるまいと姿勢を模倣します。

私は、シュトラウスのオペラ「サロメ[オスカーワイルドの戯曲]」の中の、ヘロデヤがヘロデに、彼女の娘(サロメ)にバプテスマのヨハネの切断された頭部を与えてくださいと頼んでいるときのフレーズを思い出します。「彼女が求めるものを彼女に与えてください。ああ!彼女はまさに、彼女の母の子供です。」

バルセロナのモンジュイック博物館(スペイン君主の肖像画のある非常に大きな展示ホール)のギャラリーにある壮大な肖像画も思い出します。絵画という絵画に、ハプスブルグの唇(あごもそうです)が見られます。この下顎前突症は、幾世紀にもわたり、繰り返し受け継がれています。

「この親にしてこの子あり」とは、私たちがよく耳にする言葉です。−親とは、子供が生まれるとすぐ、その子の中に自らの特徴を探すものです。

人相、ふるまい、言葉使いのパターン、気質などの遺伝的要因は、現実的であり、理解できます。特徴が機能的・生産的で賞賛に値する場合、私たちはそのすべてを快く受け入れることが可能です。しかし、それが機能不全の場合、また痛みを伴っていた(伴っている)ものである場合は、それに対処しなければなりません。

習性から離れ客観化をするには、まずこのような習性の連鎖を認め、それを見つめることが肝要だと私は伝えます。クライアントはそこで、個人的な模倣を生まれつきの個性構造としてでなく、親のモデルで確立された考え方や行動の習慣としてみなすことができます。習慣は変わり得るのです。

子供は親から、考え方、性質、言葉使いのパターン、その他を学びます。長い時間をかけて、これら模倣された特徴は、親の支持により補強されます。習性の連鎖とはそういうふうに起こるものです。 −(母親は)あなたがそれに値するので、私は絶えずあなたを非難します。「それは母が私にしたことです」(と繰り返すのです)

これらの特徴は、大人になってからのふるまいにも何らかのかたちで表現されます。そして、人は同じことをしている他人と交流するものです。そうすることにより、親の典型的な影響を処理しているのです。

相互関係のパターンが機能不全であるとすれば、習慣的なふるまいは変えなくてはなりません。

「なぜこのようにふるまうのですか? それは、あなたの母親のふるまいと同じではありませんか? あなたが今、そのふるまいをどう思っているかについて考えてみてください..!」 −こういった類の質問は、クライアントに「私は本当にこれを変えなくてはならない」と認めさせます。

−あなたはどのようにそれを変えますか?−ここでは、特定の詳細はクライアントによって提供されます。そして、習慣の中断を始め、状況、ルーチン、症候群を改善する方法が創造的に構築されます。主張の要点は、「私は本当に、これ以上彼/彼女のようにふるまいたくないです。私は今それを理解しています。悪い習慣は長い間私に忍び寄り、ものごとのやり方に影響を与えていました。私はそれを変えるつもりです」となるはずです。

−それは彼らの人生を蘇らせるものです。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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