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環境を隔離する(Removing the Environment)

Counseling Insights May 31, 2010


私たちのほとんどは日常の繰り返しの社会的な箱詰めの中で生活しています。私たちが身につけた振舞いはパターン化し、自身の欲求を満たす過程で私たちはそれが報われるあるいは報われない振る舞いをしますが、それらの方法はいろいろな状況に関してとても似通っています。私たちが誰であるかということはしっかりと確立されています。

例えば、対人関係の破綻を繰り返す歴史の中で、原因となる要素はたいてい同じだということが明らかになります。私たちは何かを解決しようと繰り返し試みますが失敗します。私たちは経験するそれぞれの対人関係の中でいつも何かを行おうとしています。もちろん、関係の相手も同様な個人的プレッシャーの下にあり、解決すべき同様の考慮点を抱えているので、相互関係は機能不良になったり、多くの報酬があったり、習慣的になったりします。

このような人間的なドラマは個人の欲求に対して働く環境的なプレッシャーをよく示します。よくも悪くも外部と内面の環境は相互干渉するのです。

クライアントはどのようにこのことを理解し、必要な修正をするのでしょうか。

クライアントは動揺の触媒になるものは何かを理解するようにならなければなりません。葛藤がどのように発達し、なぜそれが存在し続けるのかを理解する必要があります。これらの振る舞いはとても日常化し、通常として意識されているので、自分自身で客観視することが難しいのです。

私たちはこのような機能不良の一連の振る舞いに対して、環境を隔離するという仮の状況を作り出すことにより改善を試みることができます。

「ここで一時本題から逸れ、ちょっとした遊びを楽しんでみましょう。一緒に幻想に参加してください。孤独な離れ島の幻想です。[少々の話し合いにより次のような要点へと導くことができます。]」

「もし孤独な離れ島で私たち二人だけタイムトリップをすることができたらどうでしょう(あるいは魅力的な見知らぬ異性と提案することもできます)。誰もあなたがいなくなったことに気がつかない。また、時間の経過も気にする必要はないとしましょう。」

クライアントがうまく仮定に合わせられるように工夫しましょう。笑かければクライアントも笑いかけるように。

さりげなく、「最初に何をしましょうか」と尋ねてみましょう。クライアントは状況に入り込みながら「島の探検でもしましょう。例えば、…[しっかり想像に入り込んでいることを確認しましょう]」

そして、とても明確に、そして、当然のように続けます。「素晴らしい、そして、最初の夜、あなたはとても理想的だと認識します。そして、眠りにつく頃、[ゆっくりと]あなたは『相手と[私と]あなたの間で予測されることがうまくいかなかったらどうしよう』この神聖で素晴らしい状況の中で二人の間に何が表出するでしょうか。」と質問してみましょう。あなたの個性を使い、クライアントと関わりましょう。話し合いをあなた自身も楽しんでください。「イメージ」を意識的に保ちましょう。

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あなたは会話を簡単に問題へと導くことができます。例えば、蠍の月のコントロールや競争の欲求にまつわる成長時のプレッシャー(そして対人関係の歴史)があったとすれば、それがどれだけ動揺させるものなのか、そして必要のないものなのかということがすぐに明確になります。その後、それらの欲求がいつそれほど激しく、それほど無防備に発達したか(両親の模倣?など)、などについて理解を深めていくことができます。あなたの行う会話は問題にしっかりと光を当てます。クライアントはものごとを鮮明に理解することができるでしょう。

状況の隔離は私たちが習慣的に従っている規範、つまり環境の規定を取り除きます。

そして、もう一つ重要な問題が浮上します。手に負えない振る舞いが戻ってきたとして、相手の欲求や振る舞いに関する考慮はどうでしょう。

--このような会話の中では、多くの「あ、そうか!」という瞬間があるでしょう。隔離は始めるとすぐに新鮮な正直さや客観性が刺激されるので、時間をかける必要はありません。クライアントはすぐに客観家の姿勢をとり始めるでしょう。

あなたがつくった状況ではとても自然なことですが、性的な問題が持ち出されたらセクシャリティが悩みの問題の一部である可能性はとても高いでしょう。「この素晴らしい状況の中では二人がお互いに性を意識するのは時間の問題でしょう[クライアントにこの帰着に合意してもらいましょう]。では、性的な時を過ごした後、何を感じるでしょうか?」

男性のクライアントなら「自分が適切にできなかったかを恐れるでしょう」と言う可能性が高いでしょう。女性なら「自分が十分に魅力的だったかが心配」だと応えるのではないでしょうか。あるいは、それこそクライアントは、その島でも、現在の実際の状況の中でも単純にセックスは対人関係に関係ないと主張するかもしれません。

もちろん、全体の目的は法外さや強迫観念を抑えて適切で穏和なやり方で個人的な欲求を充足することと、相手にも同じことをしてもらうやり方を探すことです。そして、ここで対人関係カウンセリングの研究や学習がとても役に立つのです。

(訳:石塚隆一 with miu)


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