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発展のシナリオ(Development Scenario)

Tyl HP, Febrary 20, 2001


鑑定の準備段階でホロスコープを読む時、私たちはできるだけ早く天体配置を超越しなくてはなりません。人生発展の(可能性のある、もしくは確からしい)シナリオについて考え始めなければなりません。そうしなければ、ホロスコープを眺め続け、天体配置を繰り返し検討するだけで安易に1週間費やしてしまうでしょう。実人生をイメージしながら天体配置を活気づかせ、人生発展のシナリオを見いだす指針となるパワーをクライアントに提供することが重要です。

こういった「シナリオ」を見分け、理解する準備は私たちには整っています。「シナリオ」の種類は多くはありませんが、私たちの周囲(自身や友人の人生、映画、書籍、雑誌記事の中など)にあふれています。発展のパターンは、陳腐な決まり文句になるほど明白なものです。

一例を挙げます。ある女性のホロスコープ(おそらく軍事基地で生まれたと思われます)ですが、逆行土星があり、両親軸(4-10)が示す成長過程の緊張により、その象意が増強されています。そして18歳になるまでの間に、アングルに対する2つないし3つの目立つ「深刻な」アーク/トランジットの接触があることに気づくでしょう。7ハウスと9ハウスの支配星には重苦しい緊張があります。

これらの天体配置は紛れもなく、ある成長(発展)のシナリオをあなたに示しています。父親の存在感は欠落しています(著書「Synthesis & Counseling」の35〜48頁を参照ください)。彼はおそらくほとんど家を空けていたでしょう。そして家にいる時はおそらく暴虐的にふるまったのではないかと思います。

少なくとも2度、住居の移動を伴う重大な家庭内の崩壊があったと思われます(友人達のサポートも失われます)。そして軽率な結婚(教育はその過程で中断しました。ある一定の社会的な発展レベルに投錨したのです)による高校卒業後の家庭環境からの逃避。未解決の問題はこの結婚で再度表面化しました。

これらの天体配置にあなたが興味を引かれるなら、あなたの知性はもう成長(発達)のシナリオを組み立てています。そしてあなたはクライアントとの対話の準備に入ります。

困難な家庭環境(両親軸、北半球の強調、逆行土星、ノード軸関連の配置などで示されます)と、教育の中断とが非常に関連性が強いのはなぜだと思いますか?−それは、親が子供の成長にほとんど関心がなく、大学に行くよう勧めることが少ないからです。だから子供は自分自身の家族を作ってそこへ逃げ込みたく、自由でありたく、好きなように生きたいと思うのです。

困難な家庭環境が、自身の「価値」の危機や愛されない感覚(2ハウス・11ハウスに関係します)と非常に関係が深いのはなぜだと思いますか? なぜこれらのことは、こんなに容易に「大人の親密な関係」に移換されてしまうのでしょう?

これらの疑問を自問するなら、あなたは仮説を立て答えることができるでしょう。占星術の天体配置の解釈の目的とは、こういった類の疑問を刺激することです..!

しばらくすると、これらの概念は直観になります。あなたの知性は、意識的な努力なしにそれらの仮説を創造し始めます。これは、分析技術の熟達や占星家としての熟練の始まりです。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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