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記憶の中のタイミング(Keeping Time in Memory)

Tyl HP for August 30, 2003 


占星術を学び、実践する際に、私たちは常にシンボルとその絶えず変化するパターン(アークとトランジット)を通じ、自らの人生について調べています。1975年11月、1952年4月という日付までさかのぼって調べるのです。また私たちは、指針となる天体配置に詳細な実体を与えるための実人生の状況を充分に覚えておくことができません。手当たり次第に覚えることは困難で、いらいらするものです。

連続性を持つ記憶は比較的容易です。自分の人生における主要な転機に照準を合わせ、その出来事までの過程やその後の展開を思い出してみましょう。ある出来事をほかの出来事と結びつけるのです。

同じことをクライアントのために行なうのがどれほど難しいか考えてみてください。特定の日を参考にして彼らの人生の発展を詳しく調べようと、私たち占星家は正確な記憶や即答を彼らに期待します。私自身の成長(発展)において、このプロセスの「忍耐」は、コンサルタントとして最も重要な学びのうちのひとつでした。記憶が気まぐれなものであるという認識が、想起を強く促したい気持ちを上回っている必要があります。

私自身の人生の発展についても、アークやトランジットでの状況を素早く確実に探して参照できるようにノート(アストロダイヤリー)に記録しておけばよかったと思います。

特定のアストロタイミングは、私たちの成長(発展)という目的にとって重要なだけでなく、それら(アストロタイミング)により ホロスコープ内で非常に敏感となるエリアがどこであるかが明確になることが、戦略的にとても重要です。例えば、病気は、ホロスコープにおいて3〜4度スパンで幾度もトリガーとなる、12ハウスのルーラーもしくは12ハウスに関連する時期表示によって示されるでしょう。経験と年数を重ねれば、その3〜4度数スパンを含むアークやトランジット(もしくは両方)の動きを分析することで、近い将来の病気の可能性を高い確実性をもって予測できるでしょう。

これらすべてはかなり基本的なことです。熟練の占星家はこれを準備段階で行ない、あとはカウンセリング中の確認作業の際に捜し出します。しかし実際には、アストロダイアリーなしで、また計画もスケジュール準備もなしに、経験的な指針を決定することは非常に困難です。

アストロダイアリーを作ってみることを私は提案します。−あなたの成長(発展)の占星術的なポートレートの作成に、ぜひできる限り真剣に、今すぐ取り組んでください。自身の人生全体の成長(発展)について徐々に思い出してください。成長過程を家族にも尋ねてみてください。あなたが作り上げているのは、実は占星術的な自伝の概要なのです。−毎日少しずつ続けてください。表記法の工夫を楽しんでください。あなたが発見し熟知に至る(そしていつでもページをめくれば利用できるようになる)学びと理解の豊かさに期待してください。

研究(調査):あなたは、自身の小さな研究プログラムを開始することができます。アストロダイアリーを「ワープロ」プログラムで作成したとすれば、ワープロの検索機能を利用することができます。あなたはすべてのクインデチレアークに関する出来事を検索することができます。長い人生の体験からたくさんのキーワードを集めることができます。また、あなたは自分の誇りであるクインタイルの配置がトリガーとなったときの体験を捜し出すことができます。太陽、月(その他のどの天体でも構いません)に対しトランジット土星がエッチング(刻み)した建築様式を、あなたは包括的にスケッチすることもできます。

アストロダイアリーには、結婚や出産などについては、他人のことも含めてもよいでしょう。

非常に短い時間で、過去の自分に追いつき、自身の更なる発展を予想する充分な準備ができるようになることでしょう。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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