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助けになる観察(Helpful Observations)

Tyl HP Notebook: May 31, 2010    


未来はすでに起こっているのでしょうか。

昨日ホロスコープ相談を計画している際、私は女性の退職の実現性を強く予測しました。私は2回目のサタンリターンやMCに関連する強力な配置、冥王星=ASCなどからそう考えました。

クライアントにこれを勧めるために、私は「ここでのホロスコープからの推測は、退職、職業実践における主要な変化、未来に関する重要な新しい展望です。今後一年半のこの期間にあなたはどんな計画を立てていますか。」と言いました。

言い換えれば、あなたのクライアントはそれが起こることを感じているのです。あなたのクライアントは確かにそれに向けた計画を立てているでしょう。…それは確かにすでに起こっていることになるのではないでしょうか。人はどんなふうに自分の未来を知るのでしょうか。

過去と未来には分離はない、すべての時間はすでに存在している、そして私たちの時間の感覚は単に現在というもっとも明確な中心からだんだんとボケるように離れていく焦点の明確化なのだという理論が提案されています。相対性理論を利用した頭をひねらせる理論は通常の客観的な世界から外に出た際の主管的時間感覚の変化を論理的に証明します。夢の中での予知は常に時間の障害に挑戦し未来の状況に適応しようとします。

同じ予測を意味する英単語でも「project」と「predict」には違いがあります。「project」は過去の時間の部分から未来の部分へ向けて進む情け容赦ない流れに乗ることですが、「predict」は流れのある瞬間から飛び出し、まだ来ていない別の点へ進むことです。曲げられたバネは流れの途中を無視し、まだ積み上がっていない原因となる成長の関係を橋渡ししてしまうことにより潜在的な間違いを導入してしまうようです。

例えば、あるビジネスマンが今後2年の間に会社内での昇進を予測(project)できたとしましょう。彼は自身の過去の実績を未来へと投影します。彼は彼の成長空間の中で彼の時間に乗っています。彼の予測には時間の中で彼の背後にあるすでに確立した実績の期待(予測)を抱えています。予測(project)は「このペースで進み続ければ、2年の間に地域マネージャーになるはずだ。」となるでしょう。

さて、占星術を利用して彼が2年以内には会社を去る、つまりからは会社を続けないという予言(prediction)をすることができるかもしれません。ホロスコープから推測される理由により、彼がその会社といっしょに過ごす時間は終わるでしょう。新しい時間の構築が他の会社の下で始まるのでしょう。予言は予測を否定し、そのため不可能で、ばからしくさえ感じられます。しかし、この不自然な予言はすでに起きているできごとを捉えているのでしょうか。

予測と予言の区別はとても微妙です。予期できないものに対しては壁ができます。過去の秩序の統合性にはっきりと従ってはいないできごとです。占星家は本人の潜在性やホロスコープ、そして過去の実際の人生から連続した予測として理解しなければ信頼性のある予言ができることは稀です。彼は時間の始まりである出生の瞬間までさかのぼり作業をします。占星家の時間の流れは現在までで止まるのでも、現在から始まるのでもありません。

拡張された現在:現在の瞬間の焦点には幅や測定のできるものはありません。未来と現在の間、頂点とピラミッドの間に分離を考察したり証明することは不可能です。過去は確かです。それは、流れを定義し、未来を約束します。私たち自身を存在主義的に安定させるには、現在を創り出さなければなりません。私たちは現在と呼ばれるものを過去や未来へと拡張し、努力に意味を与えるのです。

主婦は朝早く料理をすることを、夜のパーティーのためだと正統化します。彼女にとって、後にくるパーティーは準備している今に始まっているのです。ビジネスマンは仕事を退職後の安定のための計画により正統化します。彼にとっては後の利益の積み重ねは早期の準備期間から始まっているのです。

占星家は現在を拡張します。私たちはできる限り過去まで、つまり誕生の瞬間までさかのぼります。私たちは人生発展の調査のために情報を集めます。現在の感覚を戦略的に拡張するために時間に参加し意味を与えます。

私たちは時間の弧の範囲内で予測をし、その弧にはおそらくすでに起こっている未来が含まれています。創造的な視覚化は啓示的であると同時に因果関係も創れるでしょうか。

(訳:石塚隆一 with miu)


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