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オリエンテーションのための観察(Observations for Orientation)

Tyl HP, June 30, 2011


私たちがクライアントと行うワークは何であるかを表現するのではなく、何であることができるかを提案することです。

ワークをこの立場に据えることは、否定や不正確さから私たちを守ることができます。観察に対するクライアントの「NO」の返事はたくさんのことを教えてくれます。それは「レベル」を確定するための大きな助けになるのです。同様に、実人生での出来事やタイミングに関するニュアンスは私たちの観察のレンズを微調整します。

例えば、7つのクインタイルをもったクライアントのコンサルテーションを、「ホロスコープからとても多くの創造性が推測されます。あなたは創造性をどのように活用していますか」と明るく軽快に始めることができるでしょう。

そのクライアントは驚きを示すかもしれません。否定です。

私はさらに、「では、創造性をどのように活用していましたか」と加えてみます。教育が中断した可能性(9ハウス支配星が強い成長の緊張下、18歳頃のソーラーアークやトランジットが準備メモに明確に示されていること)を認識しながら、両親による抑制の状況を確かめようと試みます。

再度、クライアントは何もないと答え、正直に話していることが明らかです。

「そうすると、何かがその表現を阻害していたことが考えられます。大学へ進学しようとする18歳頃に多くの緊張があり、これらの才能の発達、つまり、特別なテーマの学習が阻害された可能性があるのではないでしょうか」

するとクライアントは生き生きと、「まったくそうなんですよ!大学へ行かせてもらえるなどという話は一度も出ませんでした。実際にはその頃私は結婚して…」

どうでしょう。数秒のうちにどれだけのことを学んだか振り返ってみてください。家庭生活での成長は抑制的だった。母親がチョウツガイのような重要性を担っていた(ノード=MC)。早急な結婚による初期の家庭からの脱出。赤ん坊が話をさらに複雑にし、取り戻すのにその先長い期間を要する。などという話がすぐに出てきます。

この過程のどこも占星家が当てずっぽうに行っているわけではありません。むしろ、占星家は最もクリエイティブなオリエンテーションの調整へと導いているのです。「レベル」は明確に確立され、人生の流れの感覚は確かなものになります。目標は、正しい路線へ戻るための電車を待つことになるのです。

目的は、すべての描写が最初から「正しい」ことではなく、むしろ、成長の「レベル」や流れの可能性を理解し、それらをクライアントといっしょに確認し、要点に焦点を合わせるために「的を得ているか」ということが重要なのです。

パターンの探求

ホロスコープ分析において、半球の強調はあなたに何を準備してくれますか?ハウス支配星の緊張を通して予期される発達の状況はどんなふうに表れてきましたか?両親のバランスの崩れはありましたか?兄弟の緊張(ライバル意識)はありましたか?教育の要素は?中断の可能性は?なんと言うことでしょう!こんなにたくさん既に準備ができている。わずか数秒の間にこれだけのことがあらわになります。

統括的欲求としてすべてに浸透する月の重要性はどうでしょう(DVD2参照)。

[これらの観察や、まだまだたくさんあるポイントはマスターワークシリーズのDVD1で解説されています。また、もちろん、「Synthesis & Counseling in Astrology」やここの「Analytical Techniques」の保管されている数多くのエッセイも参照してください]

占星家は人生の発展のパターンに敏感になるべきです。

ちょうど昨日も温泉クラブのロッカールームで近所の方がミッキーマントルの伝記の本を持っていることに気がつきました。会話のきっかけに私は「マントルはなんと困難な人生を歩んだのでしょう。彼の監督は彼の人生をよくする助けをしなかったのは驚くべきことですね。」と言いました。紳士はそれに応え、私たちはアルコール中毒や薬、強情な振る舞い、家族にしばしば表れるこれらの心配事についてくだけた会話をしました。いくつかのやり取りの後、私は「こういうのってお決まりのパターンのようになるでしょう」というと彼は「確かに。私は心理療法家でこのような人々をいつも見ていますよ。すべては家族の影響や価値観、振る舞いに元があるものです」と言いました。

私も「そうですね。私もいつも見ていますよ。私は占星家です」と言おうとしましたが、彼は既に本を抱え湯船の方へ歩いていっており、私は笑って見送っていました。

そうです。私たちは個人の成長における社会的な振る舞いのパターンを探しています。それらがホロスコープにどのように反映されるかを理解するために。

天体配置は充足へと向かう振る舞いを定義する欲求へと導きます。私たちが人生について知っていることは私たちが人生について知っていることと同じほど重要なのです。

例えば、ホロスコープが東の半球の強調を示し、土星の逆行とともに10ハウスの支配星が緊張下にあり、2ハウスと11ハウスの強調があり、9ハウスの抑圧があったとします。

既にどれだけのことが分かりますか?これらの天体配置がどう命を吹き込まれ、振る舞いや成長のパターンを確立し、レベルを確立し、未来の重要な人生の転機に続いていくかということは驚くべきことです。

あなたはこれらのパターンについてどんなことが言えるでしょうか。私たち自身も何らかの度合いで直面するこれらの成長に関する問題のそれぞれに関して2〜3冊心理学、心理療法、セルフヘルプの教科書を勉強すれば、クライアントの大きな助けになることができるでしょう。

これが私たちの芸術なのです。


(翻訳:石塚隆一 with miu)


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