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マーサのミッドポイントガーデン(Martha’s Midpoint Garden)

Tyl HP Analytical Techniques, 29 Jun 2002


ミッドポイントを再考しよう!

理論的には、統合の概念とミッドポイントの編成の過程を理解すれば、ミッドポイント一覧表(ソート済)のみでホロスコープ全体をかなり詳細に分析することができるでしょう。その見方に、サインとハウスの関係性の考察が欠けているのは確かです。しかし天体の作用や当人の行動の可能性の把握は充分に可能です。

マーサ・スチュワートのホロスコープで、90度のミッドポイントソート表を見ていきましょう。90度系のミッドポイントは、4番目のハーモニック系統(スクエア、コンジャンクション、オポジション)の観点から、天体作用の「絵」を統合するのに最も確実で扱いやすいものです。参考テクニックとして「Synthesis & Counseling in Astrology」の 303〜334頁をぜひ参照してください。なお、以下に引用したすべてのミッドポイントの「絵」のイメージは「Synthesis & Counseling in Astrology」の巻末と同じ記述であり、「Solar Arcs」の巻末にも重複して掲載しています。

−出生時の天の状態−


マーサ・スチュワート 1941年8月3日 午後1時33分 EDT in Jersey City NJ

太陽は獅子座、月は射手座にあります:果てしなく自我を打ち出します。人生のドラマ、奇抜さ、冒険、愛などについての極端な追求が見られます。エネルギーの流れは非常にスムーズです。蔓延する情熱はすべてを焼き尽くすほどでしょう。努力や完成(遂行)よりも体裁や欲求優位で人生を乗りこなそうとする人です。[S&C, 87頁参照].

ホロスコープにおいて、MCを支配する太陽は高位置にエレベートしており、アセンダントに正確にスクエア、牡羊座の火星とはトラインです。太陽と火星は、このホロスコープの共通のファイナルディスポジターです。

冥王星は太陽とコンジャンクションです:冥王星はオリエンタル(出生図で太陽の直前に上昇する天体を示します)になっています。スチュワートは初期の成長過程において、確かに厳しい息苦しさを体験をしていました。おそらく母親の影響による「回り道」や「圧迫」のために、彼女は毛布の中で手榴弾を握っているような状態でした[海王星がノード軸とコンジャンクション、射手座の月とスクエアになっています]。成長過程の後期には、過剰な代償作用として、彼女は世界をまたにかける強力な社交力(自己拡大の戦略として意識的に身につけた)を利用して爆発的に活動します。

天王星は土星とコンジャンクションです。:この天王星は強力なアンギュラーであり、最終的には古いものから新しいものへ、もしくは保守派からアバンギャルド(前衛派)へと離脱することを明示しています。その天王星が4ハウスを支配しているところに、親の影響のエコー(反響)が見られます。彼女の「脱出」の土台は親の影響から形成されています。

乙女座の金星は、感情を効率的に扱ったり、実際に感じることなく感情について話題にするなどの特徴があります。理想化された表現をまとう確かな冷淡さが存在します(金星は水星とセミスクエア、木星とスクエア)。スチュワートは、自分が愛らしい存在であると繰り返し自身に保証し続けなくてはなりません(11ハウスの状態から)。

全般的に見ると、このホロスコープは、突出した個性による恐るべき職業的偉業を約束するものです(アセンダント支配の冥王星がMC支配の太陽とコンジャンクション、その太陽はアセンダントに正確にスクエアです。2ハウス支配の木星と7ハウス支配の金星のスクエアにも注目してください)。スチュワートの所信(彼女がものごとをどのようにとらえるか)は、派手な活動を先導します(射手座の月の生来的欲求)。この所信は「女王コンプレックス」を持つ彼女のアイデンティティとなるものです。

では、出生図で見た上記の特徴のエコー(反響)を期待できるミッドポイントで、スチュワートのホロスコープの概要について考察を広げてください。

牡羊ポイントは、正反対の強い2つのイメージで構成されます。AP= MC/ASC は非常に強く明確に現れる自意識(強力な自己アピール)を示しています(ASC□太陽、冥王星(ASC支配)?_太陽(MC支配星)などのエコー)。もうひとつの AP=土星/冥王星 は、何らかの家族の悲哀、深い傷や悲劇、退廃、不法、表舞台からの撤退、秘密の暴露などを暗示する非常に難しい天体配置の典型です。

AP=MC/ASC はおそらく、ASC=月/海王星 の「自我の定義の喪失感」の埋め合せでしょう。さらにAP=土星/冥王星 がこれ(喪失感)に拍車をかけています。彼女の幸福の実現のためには、彼女の内面でぶつかり合う気質を探究する必要があります。そして私見ですが、彼女の幸福とはお金でなく、(他者からの)承認と愛によって実感されるものでしょう。この誇張された流れは、人生早期の家庭環境における父親、母親双方との関係性に結びついています。

火星=木星/MCでは、成功をおさめます。この配置は偉大な自己宣伝力の明白な源です。

MC=土星/ASC:ここで再び、スチュワートの人生の発展の「別の側面」(発展を動機付けるエネルギー)に気づきます。私たちは「自分の立場を正当化しようとする」彼女の非常に強い衝動の動機が何であったかを尋ねる必要があります。

非常に重要な「絵」として、天王星=冥王星/ノード、天王星=海王星/冥王星 があります。これは、社会的承認の渇望や「妨害の粉砕」、注目を集めるための破壊的行動、大胆な自我の押し出し、勇気、保身のための波乱、あるいは仕事を完遂するための常軌を逸した言動、などの表示です。

海王星=太陽/ASC は、恋愛でだまされる高い可能性を暗示しています(「与える愛」の5ハウスを支配し、「求める愛」の11ハウスにある海王星に注目してください)。これが 月=水星/土星 の感情的困惑、孤独、憂うつ、喪失の恐怖に起因する優柔不断、感情面のフラストレーション、常により安心な方法を探す、などの「絵」に反響(エコー)しています。

そして最終的なリストになりますが、完全なものではありません。月=太陽/ASC は、女性の「承認」のために働く女性や、女性からの評価を表します。これは、木星/冥王星のミッドポイントと水星のクインデチレアスペクトと完全に結びつきます。スチュワートの挑戦とは、自分らしくありたい、そして同時に女性の模範でありたい、という動機が高じた強迫観念なのではないかと私は思います。最大の利潤、承認、報酬...。あまりの(要求の)強さに、彼女は不眠症になってしまうかもしれません..!

注意してほしいのは、上記の解釈に価値判断は示されていないということです。有罪も無罪もありません。これはミッドポイントのみでとらえた人物像ですが、世界の様々な場所で非常に多くの大衆(特に日本での市場取引に彼女は奮闘努力しました。9ハウスの状態に注目してください)の人生に触れ、容姿や声は魅力的、人々に知識を与える有能な女性、という私たちの認識と一致した驚くべき「輪郭描写」になっているでしょう。スチュワートは自分自身のプロモーターであり、驚異的な成功を楽しんでいます。彼女の太陽、冥王星、アセンダント、MCの相互作用は特別で非凡なものです。

未来[このエッセイは2002年6月に書かれています]を見ると、マーサ・スチュワートはおよそ1年間、ある種の「陶酔状態」に入ると予想できます。8月6日〜11月3日にビジネスや法律に関する確実な大波がやってきます。(ソーラーアークASC=木星/冥王星ができている間に、冥王星(ASC支配星)?_T木星、太陽(MC支配星)?_T木星が形成されます。木星のトランジットにより、焦点は8月下旬に絞られます)

翌年には、より確実な躍進を示す ソーラーアークMC=太陽/月ができます。2003年1月・2月に困難と邪念がわずかに復活しますが、確実な安定へと再び戻るでしょう。

私見ですが、2003年5月〜6月に 彼女の動揺は収まるでしょう(T木星が太陽に再度コンジャンクションし、SA天王星=木星(2ハウス支配星)と、SA木星=太陽/MCができます)。この配置ができてまもなく、彼女は職業上の体験と個人の感情的展望とのバランスを再学習、再編成するという、自身の価値体系の抜本的な変化を経験するでしょう(SA冥王星=太陽/土星 が2003年6月にできます)。

これまでと違う類の大ニュースとなり得る、共同事業もしくは結婚という非常に重要な人生の変化(2003年9月〜)に彼女は近づいていると思います(T天王星が出生の天王星とスクエア、併せて SAノード=太陽/金星)。大規模なこの共同関係ないし結婚は、2004年6月〜7月に成就するでしょう(SA金星(7ハウス支配星)=月/ノード、SA金星=ASC、そしてT天王星と金星のオポジション。そしてSA冥王星=水星/木星もあります。「大いなる計画(求婚?)」です..!

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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