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なぜアングルは重要なのか(Why the Angles are so Important)
  --自殺についてのいくつかの洞察(--and some insight about Suicide)

Analytical Techniques, November 30, 2003


私たちはアングルが非常に大切であることを知っています。

アングルに2度以内の位置にある天体や、アングルにタイトにスクエアになっている天体はすべて、分析において最も重要な役割を担います。

MC-IC軸にコンジャンクション、またはスクエア:親との相互関係や職業選択と仕事の姿勢(挙動)、地位、個性発展において強く焦点化される領域などの観点から多くのことに言及できます。エリザベス女王の土星はMCにコンジャンクションです。ヘミングウェイは天王星がICにコンジャンクション(かなり風変わりな家庭環境)です。ジャッキー・ケネディはMCに海王星があります。チャールズ皇太子の海王星はICにあります。レオナルド・ダ・ヴィンチの土星はMCにあります(生まれた時から両親に避けられる)。

ASC−DEC軸にコンジャンクション:個人のアイデンティティの打ち出しと一般の人々との相互関係の観点から多くのことに言及できます。オードリー・ヘプバーンの海王星は7ハウス(カスプ)にあります。ヒュー・ヘフナーの天王星は7ハウスです。マーティン・ルーサー・キングとジャック・コストーは、ASCに木星があります。トニー・ブレアの火星はASCにあります。ジュディ・ガーランドはASCに冥王星があります。ヴィクトリア女王は、太陽・月がASCにあります。ベートーベンの天王星は7ハウスにあります(著しい奇抜さ)。

MCは、出生時刻によって決まります。ASCは、出生場所によって決まります。出生時刻と出生場所は私たちに、消えることのない、進むべき人生の個人的な指針を与えます。この2軸のグランドクロスは、私たちを見い出し、 生涯における成長の時間と体験のスペースに狙いを定めさせます。ハウスは、アングルから派生します。私たちはアングルそのものになると言ってもよいでしょう。

これはまさしく、どこかのハウスの単純な天体配置でなく、アングルを厳しく調べることによってのみレクティフィケーションが達成され得る理由です。アングルは、人生の発展を通して、アークや主要なトランジットを受け、出生の時間と場所を明示するために象徴的に反応します。正しいアングルの決定は、占星術のレクティフィケーションの必須条件です。

方向を見失う(頭が混乱する)
重大な病気の始まりやクライマックスの研究において、私たちは幾度も、ホロスコープのアングルへの刺激を確認します。人間の全身的な身体の衰弱においては、驚くべきクインデチレアスペクトと共に、常に冥王星を確認し、次いで海王星、土星をメインにその活発度合いを見ます。−私たちは、変化(老化を含む)または方向感覚の喪失(失望)などのもと、不死身ではないからだが簡単にぐらつくことを感じます。

また、ホロスコープのアングルに対して海王星のアークやトランジットが通過したり、スクエアになる時は、自我定義の曖昧化あるいは壊滅、薬やアルコール、ファンタジー、妄想、とまどうような状況を通して起こるある種の「壊滅」の時期にしばしば対応することがわかります。このような対応は、太陽または月に関してよりもアングルの関連により強力に起こるようです。

自殺はもちろん、究極の重大な病です。−自殺は、アメリカの思春期の若者の死因の第三位です(若者全般においては、死因第二位です)。世界の精神医学の専門家は、自殺を特定の心因性疾患の結果と見なすより、むしろ全体論的な精神的苦痛の結果と見なします。50年間自殺について研究し、本を書いた精神分析医エドウィン・シュナイドマン(「The Suicidal Mind」1996年オックスフォード大学出版 )は、著書の中で「私たちは、精神的欲求を追求して人生を送ります。個人が自殺するとき、当人は自身にとって「不可欠な」精神的欲求を妨害されたことで生じた精神的苦痛を消そうとしています」と述べています。−要するに、自殺は私たちの人生における指針の短絡であり、心理的苦痛が耐えがたいほど最大限に大きくなったものだと考えることができます。

シュナイドマンの研究は、早期警戒パターンに関連して、父親との関係は母親との関係より重要だということを指摘します。拒絶の種が、個人の心に植えられます。そして、成功または失敗のスケール(感覚)があり、それには客観的なものさしと自分自身のものさしがあります。「野心的で、能力があり、競争力があり、満たされて、公正で、知的で、外向的で、合理的で、安全で、自制でき、誠実で、洗練されている」と自認する人々は、自殺する確率が劇的に低いものです。

「最も成功していない」と表現された人々の性質を示すラベルは、「用心深く、防御的で、憂うつで、不満で、挫折し、孤独で、内気で、傷つきやすい」です。これらの特徴は、方向感覚の喪失の始まりを明示します。つまり、重要な欠損(不足)です。

−私は、著書「The Astrological Timing of Critical Illness」の中で、このテーマに関してさらに多くのことを言及しています。

キーポイントは容易に作られます:特徴のリストにおいて、いかなるホロスコープでもアングルに付随する特徴が強調されていることに注意してください。親との相互関係、仕事における成功、個性の表出、感覚的/客観的な地位の指針。

アーネスト・ヘミングウェイが拳銃自殺した(彼の父親がしたように)時、T冥王星は彼のASCに正確に位置し、同時にT土星は彼の太陽にオポジションでした。そしてSAの月は、まさに7ハウスカスプを通過していました。

俳優ブライアン・キースは癌をわずらっていました。自殺したのは、T冥王星が正確に彼のASCに位置し、T天王星が月にスクエア、SAの天王星が太陽にオポジションの時でした。

ミシェル・ゴークランが自殺したのは、まさにSAの海王星がICにコンジャンクション(MCとオポジション)し、SA土星が太陽に正確にスクエア、そしてSA天王星が月に正確にオポジションの時でした。

アドルフ・ヒトラーが自殺したのは、SA冥王星−海王星がASCに正確にスクエアになった時でした。

上記の自殺行為は、すべて占星術的に予測や防止が可能だったでしょうか。

自殺は、混乱や欲求不満、方向感覚の喪失に幕を下ろすものです。まさに「Ending it all(すべてを終わりにする=自殺すること)」が意味するところです。

アングルには、そういった方向感覚の喪失が顕著に現れます。そして、それらが蓄積していく過程の早期警戒サインがほとんどのケースで非常に明白であるということを、自殺の臨床研究で学びます。アングルの占星術的な働きと結びつけながら、私たちは人生の指針と方向感覚(目的とプロセス)の喪失について多くを理解することができます。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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