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ホロスコープの記憶を呼び覚まそう(Tapping the Horoscope’s Memory!)

Analytical Techniques, July 31, 2008


そうです、ホロスコープはそれ自身「記憶」を持っています。その「記憶」を理解するには、少なくとも4つの鍵となる方法、4つのチャンネルがあります。

1.過去に活性化された天体や感受点(の未来への影響):特定の天体や感受点が主要なアークやトランジットに関係したとき、また再度1〜2年後に関係するとき、天体やポイントの反応感度は増すようです。そして3〜6回と接触が増えるにつれて、(同様事象の)再発生の可能性も高くなります。ホロスコープは覚えているのです。そして、その感作場所に意識は集中します。

私たちは、このポイントを深く考慮することなく利用しています:例えば「12度のスパン(獅子座の4〜16度)で、イスラエル建国チャートの10ハウス(月、冥王星、土星が在住)に何かがオポジションになる時はいつも、スキャンダル、もしくは政権交代の可能性が非常に高くなります」などと言います。

私のチャートの魚座7度付近もそのような「活性スポット」で、どんな外惑星の接触によっても劇的な変化が引き起こされます。T土星のスクエア:私の最初の占星術書籍の出版(1972)。T天王星のスクエア:主要な対人関係(親密な関係)の変化。T土星のコンジャンクション:人生における重要な引っ越し。T天王星のコンジャンクション:劇的な引っ越し。..このようにリストは続きます。−もちろんあなたのホロスコープにも、このような「活性スポット」が存在するでしょう。あなたの人生発展において非常に存在感がある反応記憶のポイントです。私たちのクライアントにももちろんそのようなスポットが存在します。私たちは、より高い可能性を将来に映すために、それら(スポット)を見つけることに気を配らなくてはなりません。

2.幼児期に習慣化(常軌化)された経験的行動パターン:グランドトラインは、その並外れた防御自制性をいかに発展させるでしょうか?象徴されるさまざまなふるまいは、どのようにひと括りにされますか?なぜ防衛システムが必要なのでしょう?それは傷つかない人生を守り通すためです。その発達の仕組みを理解することのみが、自己防衛という警戒にエネルギーを浪費することを防ぎ、残りの人生の発展のために新鮮なエネルギーを用意できる術でしょう。


ロバート・ダウニーJr

他の例を挙げます:唯一の劇的なアスペクトが、弱まることなく人生の発展に恒常的に浸透するには、いかにしてその存在を開発しますか?−例えば、ロバート・ダウニーJr. は、そんなひとつの劇的なアンギュラーの配置(両親軸に関連する)をホロスコープに持っています。12ハウスを支配する月と、海王星が正確にオポジションです。耽弱(中毒)を、生涯の傷つきやすさ(弱点)と見なすことを避けられません。同様に母親問題も考えられるでしょうか..?−彼の両親は、彼が13歳の時に離婚しました。そしてダウニーは、父親と共に別の国へ引っ越しました。彼は8歳にして既にドラッグにはまっていました。

これらの体験の重要性はダウニーにとって永久的なものです(その傾向は、変化に対する抵抗や永続性を象徴する牡牛座の月によっても助長されます)。ホロスコープはそのすべてを覚えていて、それらが呼び覚まされる度にダウニーは再び中毒に陥りそうになり、彼の偉大な職歴が徹底的に脅かされたりしました。

3.夢と彼らの過去の人生:もしあなたの海王星がアセンダントにあるなら、「カラーの夢を見る」、つまり、あなたの夢は巨大な感情的内容を持っている可能性がとても高いでしょう。しかし、たとえあなたがそういった「テクニカラーの特徴」を持っていないとしても、おそらくあなたの人生の発展上で幾度も起こり再発する、筋書きのようにさえなっている主要な夢の内容に心当たりがあるかもしれません。

私は、「失敗の恐怖」の夢(どこへも飛べず、どこへ戻ればよいのか分からず、死ぬことを心配する)を繰り返し見ると言うクライアントと話したことがあります。こういった夢は、不安を吐き出す(脅迫的に私たちを目覚めさせるのもそうです)ために存在します。私たちに備わった、象徴を扱うメカニズムがカモフラージュできるレベル以上に緊張が高まると、私たちは目を覚まします。そしてそれは毎回同じパターンで起こります。

なぜ夢が存在するのか、私たちは理解できます。それ(夢)が何を伝えようとしているのかも。しかし、私たちの精神をそこにひきつけておくものは一体何でしょう? ホロスコープは、夢が私たちに伝えようとしているレッスンを覚えています。通常そういった刺激は、海王星の挑戦(ハードアスペクト)のもとで起こります。感情の抑圧は、(海王星関連ハウスや天体の)弱体化により暗い光を出現させます。

4.身体や組織構造上の脆弱さを宿す遺伝子プール:ご存知のように私は、金星と木星との相互関係についてある特徴を発見しました。アメリカ文化において非常に確実に、個人の遺伝子プールの中に糖尿病が存在することを示唆しています。必ずしも個人によってでなく、ホロスコープにより、身体的に記憶されている特徴の倉庫から呼び覚まされます。

他の病気(他の脆弱さ)はどうでしょう?「表出」のトリガー(土星がアセンダントへ来る、というような)に対して備えながら、ホロスコープはどのようにこれらを維持しつづけるのでしょう。[著書「The Astrological Timing of Critical Illness」をぜひ参照ください]

そして私たちは、これら4つの鍵に加え、古代の信条を覚えておかなくてはなりません:それは太陽系の反応領域を確立する恒星の伝説や物語です。例えばプレアデス(「嘆く姉妹」)は、牡牛座28度付近にあり、そのエリアを条件付けます。ホロスコープがそれを覚えているのです。ペルセウス座には恒星アルゴル(「完璧に凶悪だと考えられています」)がありますが、それは牡牛座25度付近を条件付けており、ホロスコープがそれを覚えています..!

上記の最初の例を参照すれば、私のホロスコープの魚座7度の領域が非常に敏感であるのは、それがMCだからだ、とあまりに簡単に分かってしまいますね。−それは正しいです。まさしく敏感なポイントです。しかし私のMCであるからといって、必ずしも更なる何かを説明できるというわけではありません。−まあともかく(非常に敏感な理由は)、それが太陽/月のミッドポイントにあるからでしょう。..説明にはなっていませんね(笑)。単に高感作領域に言及しているだけです。

ここでの要点は、私たちが成長力を通して何を学ぶかについて、ホロスコープは記憶している、ということです:痛み、喜び、怖れ、自信のある技術、報酬に対する希望、失敗の管理、など。これらすべては、ホロスコープに対しいっそうの敬意と注意を払う中で、分析の混線から救ってくれます。「記憶」が詰まっていると見なすことにより、ホロスコープは活きてきます。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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