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クインデチレ・アスペクト

Tyl HP Analytical Techniques 1999 Aug 1


20世紀初頭のドイツの優秀な占星家/神学者トーマス・リングの初期の著作から、私は1995年頃にクインデチレアスペクトを復活させました。このアスペクトの劇的な性質や重要性は、人生の発展過程において無条件に当人を突き動かすところがあります。このアスペクトの情熱的な性質を意識し、私は各国での講座や多くの記事などでイタリア風に「クインデチレ」と発音(記述)しました。イギリス風の「クインデサイル(クインデシル)」の発音は、このアスペクトの強烈なパワーからすると若干貧弱であまり合わないように感じます。至るところで皆さんがこのイタリア風の発音を採用してくれてうれしく思っています。

「クインデチレ」は15を表すラテン語を語源とする言葉で、15度ずつ増加するハーモニック「24」のすべてのアスペクト(360/24=15:15,30,45,60,75,90,105,120,135,150,165,180)を指します。この中で105度と165度以外はすでに名前がつけられ使用されていました。研究の結果、105度は「不確実」「要領を得ない」「重要でない」「退屈」などの特徴を示しました。また165度は「容赦のない動機づけ」「強迫観念」「決意」「激変」「分裂」「別離」などを表すことが明確に示されました。これまでに私は900〜1000程度のクインデチレの例を分析しました。

<見つけやすいアスペクト>

ホロスコープ上では、165度は「ほぼオポジション」のように見えます。ぜひ自分の目で確かめてみてください。片方の天体を15度ずらすと、オポジションになりますか? オポジションができたなら、元の「ほぼオポジション」がクインデチレです!つまり、クインデチレは180度から15度差なのです。鋭いオーブの採用を私はお勧めします。2〜2.5度程度が良いでしょう。オーブがタイトであるほど成立するアスペクトの数は減り、形成されたアスペクトに対する信頼性は高くなります。

おそらく全ホロスコープの85%程度に、1つ以上のクインデチレアスペクトを見つけることができるでしょう。クインデチレは、ルーラーシップの影響も顧慮した当人の「燃える」焦点を示し、人生の中で強い関心を持ち努力を注ぐ領域を表します。

アーノルド・シュワルツェネガー(1947年07月30日 午前04時10分 CEDオーストリア・グラーツ生)は4つのクインデチレを持っており、そのほとんどが6ハウス山羊座の月と絡んでいます。これはワーカホリック的な衝動を強く表し、社会的に目立つ存在へと彼を駆り立てていきます(アセンダントと10ハウスの共同支配星(牡羊座が10ハウスのインターセプト)である火星、火星にコンジャンクションの天王星の両方に対し月はクインデチレになっています)。また、MCを支配する海王星もMCとクインデチレを形成しています。シュワルツェネガーは自力で出世し、ビジネス界と幻想的な映画界の両方で驚異的な成功をおさめた男です。

ノーマン・シュワルツコフ司令官(1934年08月22日 午前04時45分 EDTニュージャージー州トルネトン生)も4つのクインデチレを持っています。やはり6ハウス山羊座の月からアセンダントへのクインデチレがあり、逆行土星(父親についての洞察を得られる配置にあります)もまたアセンダントに対してクインデチレを形成しています(意欲や好戦性をもたらす動機を示す)。これは彼の病気(前立腺癌)についても示唆しています(「Astrological Timing of Critical Illness」を参照してください)。

実際に、出生図で土星と冥王星がクインデチレになっている世代では前立腺癌の発症の割合が高くなっています。

プリンス・チャールズ(1948年11月14日 午後09時14分 GMTイギリス・ロンドン生)は、4ハウスの金星-海王星と10ハウスにあるシングルトン(他の天体から離れている状態)の月(ノード軸とコンジャンクション)の間にクインデチレを持っており、母親や理想の女性像に関して「躁傾向」「分裂」「幻滅」「別離」「激変」などを体験しやすく、そのすべては家庭での緊張状態に関連することを明確に示しています。

プリンセス・ダイアナ(1961年07月01日 午後07時45分 GMDイギリス・サンドリンガム生)は、7ハウス(と9ハウス)の支配星である逆行の水星と彼女のアセンダントがクインデチレになっており、彼女の心や神経質な傾向を通してパートナーシップの大きな不安が焦点化され、自身の健康(アセンダント)に影響を与えています。

マリリン・モンロー(1926年06月01日 午前09時30分 PSTカリフォルニア州ロサンゼルス生)は、隔離され強調された逆行土星がMCとクインデチレになっています。父親不在の不運な境遇が、職業における過剰補償的姿勢やその功績、また父親の身代わりを探し求めてやまなかった彼女の人生にどれほど影響を与えたことでしょう。この土星は11ハウス(愛を求める欲求)や2ハウス(自尊心)を支配する双子座の水星とクインデチレになっており、その影響力は人生を通して存在し、また彼女の鬱傾向(最終的に自殺につながってしまいました)も示しています。

事例はまだ続きます。占星家リッキー・リーヴス(私の学士認定コースの卒業生です)はクインデチレの専門家になりました。彼女は1999年4月にコロラド州デンバーで行われた「アストロ2000」でクインデチレに関する講義を行い、大いに注目を集めました。レクチャールームは満員になり、彼女の講義テープの売上はこの大会の他の講義テープの売上の8倍でトップでした。彼女はクインデチレに関する本を書いており、おそらく今年中にレウェリン社から出版されると思います[すでに出版されています。タイトルは「Quindecile」]。リッキーはこのアスペクトの記号を考えました。楕円の中心から右下方向へ稲妻のような線が入っている記号です。この記号は美しく、インパクトが強く、書きやすいものです。彼女はソフトウェアメーカーにこの記号を含めるように企画を提出しています。

ダイナミックな分析を行うための看破力となる強力な手段、それがクインデチレです。消えることのない影響力を保つアスペクトであると言えるでしょう。

(訳:石塚隆一 校正:石塚三幸)


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