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3ハウスのフィルター
(The 3rd House Filter)

Tyl HP Analytical Techniques March 31, 2009


誰かと会うとき、最初の会話における相手の第一声や言葉の滑らかさ、ボキャブラリー、要点の作り方などからどれだけの人格の要素が伝達されるか考えてみてください。世界観に関する考え方のパターンが自ずと表現されるのです。.そしてそのような他人を見分ける無自覚(あるいは明確なもの)のきっかけに文化的に反応するように条件付けされている様子は驚くほどです。

ホロスコープを評価するとき同様な意識が働くはずです。私は3ハウスをいくつかの視点で評価します。それは、クライアントの思考過程に浸透する考え方のパターンや活力、心理的動揺を引き起こすきっかけ、慣例からの個性的な逸脱などです。

私たちは考えのパターンがすべてに浸透することを理解しなければなりません。それは3ハウスから発信されるサラウンドサウンドをつくるのです。

変数:ナチュラルルーラーとして、水星は3ハウスに直接関わるか否かに関わらず、頭脳の働きの過程を導きます。例えば、私の水星は山羊座にあります(グランレヴィの素晴らしい形容フレーズ「草が育つ音を聴く必要がある」)。それは冥王星とのオポジションにより感覚的に拡張されており、そしてその軸は火星からのスクエアで激化されています。それらのすべては3ハウスの獅子座の月を活性化します。要点は、ものごとを最大のドラマとともに理解しコミュニケートしたい私の欲求やその充足の喜びです。

ノーアスペクトの水星は百科事典的、極端な詳細の記憶へ向かう傾向があります。月と強力なアスペクトのある水星は自分自身の考えを周囲の世界に登録するための極端な多弁さを持つかもしれません。これらの欲求、これらの特徴は他人との関係をどのように定義するでしょうか。

私たちが周囲の世界へアプローチする際の3ハウスのフィルターには別の次元から入ることもできます。海王星との接触、あるいは土星や天王星、火星、冥王星との接触が思考過程の、さらには私たちの振る舞いのプロフィールをどのように曇らせ、抑圧し、激化し、活性化し、あるいは苛立たせることができるか考えてみてください。


ジュディー・ガーランド(June 10, 1922 at 6:00 AM CST in Grand Rapids, Minnesota)

別の例として、ジュディー・ガーランドのホロスコープ(June 10, 1922 at 6:00 AM CST in Grand Rapids, Minnesota)は土星は12と4ハウスの支配星の水星と正確なスクエアになっており、どちらも牡羊ポイントにあります。これは、おそらく初期の家庭のに根ざし特に母親の策謀に起因するうつに対する弱さを劇的に物語るでしょう。(ホロスコープ中のレイアウトを見ながらもう一度読んでください)これに加え、太陽に支配された3ハウスであり、それは火星のオポジションや天王星のスクエアを受けています。高い確率で神経的に不安定な精神状態のプロフィールがとてもはっきりと認識できます。

ミッドポイントピクチャー:私はうつや個人的世界のうつ的見方に陥りやすいことを示すとても信頼できる7つのミッドポイントピクチャーを抽出しました。それらは

土星=太陽/水星(真摯な心の姿勢、うつの可能性)
土星=月/水星(苦境下でのうつの可能性)
海王星=水星/土星(うつ、希望の光を探す悲しい精神)
MC=太陽/土星(蔑まれた感覚、「孤独な狼」の立場)
MC=太陽/海王星(エゴの強さを失う、うつの可能性)
土星=海王星/冥王星(悲しみ、弱さ、苦悩、うつ)
MC=月/冥王星(一方的な感情の激しさ)

まだあるでしょう。頭脳は洗練の火をともし強く成長するためにとても挑戦的な人生に対する影響を吸収するスポンジです。

私たちは、兄弟との相互反応(とても重要な3ハウスの成長体験)がしばしば成長時の自己非難的な環境ができるきっかけをつくったり具体化することも覚えておく必要があります。しばしば放置や競争の感覚と結びつき、考えのパターンの中に長い間影響を残します。


ハワード・ヒューズ(December 24, 1905 at 10:12 PM in Houston TX)

ハワード・ヒューズ(the reclusive billionaire, business genius [December 24, 1905 at 10:12 PM in Houston TX):水星月金星のすべてが3ハウス支配星の冥王星とオポジション。さらに彼は個性化の象徴である天王星に海王星がオポジションです。


J.M.W.ターナー(April 23, 1775 at 1:20 AM LMT in London UK)

J.M.W.ターナー(the English Romantic genius landscape-painter [April 23, 1775 at 1:20 AM LMT in London UK):3ハウス支配星は天王星とスクエアになっており、水星と土星はオポジションです。「光の画家」として知られるにもかかわらず彼の考え方のパターンはどんなものだったでしょうか。ターナーは正式な教育を受けておらず、母親は精神的に不安定でした(ターナーの姉妹の幼い死に関連)。彼の人生は若い頃の数々の受賞や世界の評価にもかかわらず堕落や病気による長年の隠遁生活に終わりました。土星は彼にとってとても発達しすぎたフィルターだったのです。さらにターナーはさらなる隔離を示す風のグランドトラインも持っていました。

ロバート・シューマン(the great romantic composer [see “Analytical Techniques”, Advanced Synthesis. December 31, 2003):自殺を試み、最終的に精神療養所で亡くなりました。シューマンの火星は3ハウスを支配し、精神的な困惑を意味するミッドポイントピクチャー火星=水星/海王星を起動します。この火星はまた冥王星とスクエアになっており、どちらも太陽を抑圧しています。これ以上明確な表示があるでしょうか。

ベートーヴェン(December 16, 1770 at 11:03 AM LMT] in Bonn Germany ?Tyl rectification):ノーアスペクトの金星が3ハウスと共に8ハウスを支配しています。これらのハウスの出来事が彼の人生の中で強力に意識されるでしょう(兄弟や性的なフラストレーション)。さらに地のグランドトラインは厳しい孤独の体験を物語っています。ベートーヴェンの兄弟のカスパーカールが亡くなったとき、彼は9歳の息子を残し、ベートーヴェンが世話をすることになりました。ベートーヴェンの家系や家族生活に関する複雑な神経症的独身主義は悲劇的な異常行動や法的な考察、さらに多年にわたる孤独、カールの2回の自殺の試みへさえつながりました。また、巨匠の火星は水星、太陽、月とオポジションになっていました

例はたくさんあります。他にもニーチェ(実存主義哲学者:October 15, 1844 at 10:00 AM LMT in Lutzen Germany)やウィリアムブレイク(恍惚の詩人芸術家:November 28, 1757 at 7:45 PM LMT in London)なども見てみてください。

私たちは、考えのパターンが人生を色付けることを知っています。その輝きを分析の最初に理解することは人格の発達のポジションを定め焦点を合わせるのにとても貴重です。あなたの3ハウスはどうですか?

(訳:石塚隆一 with miu)


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