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複合的な配置の扱い:土星と罪の意識 (キャシー・ローズ)
(Management of Measurement Constructs)

Tyl HP Analytical Techniques May 30, 2010


「誰もあなたの合意なしに劣等感(罪の意識)を感じさせたりしない」エレノアルーズベルト

実践の中で私は出生図の中での土星の太陽や月へのハードアスペクトは劇的に罪の意識に対する感受性の兆しになることに気がつきました。自分自身でコントロールのできないものごとに対して責任を持とうとする傾向です。

出生図の中でルミナリーが土星との接触のためにストレスをかけられている時エゴの拡張や個人の主要な欲求を表現することに関して成長の緊張があることを私たちは理解します。しばしば解決しなければならない抑制があり、固く抑制あるいは抑圧されすぎた自己の感覚が提示されることが多いです。ホロスコープの中にこのような配置を見つけたらそんな緊張を予測することができるので、発達の中での制限を解放し別な方向へ向ける方法を探すべきでしょう。

出生図にこれらのアスペクトを見つけた時、私はいつもクライアントに対し「初期の人生で役割に関する罪の意識がどんな働きをしたと思いますか」と尋ねます。そして私は一旦言葉を止め、反応を待ちます。

通常は洪水の門が開き、私たちは強力な議論を行うことができます。

最近「タミー」という女性のクライアントと話しました。彼女は太陽が双子0度でMCにあり、ICの蠍29度の逆行土星とオポジションでした。彼女の人生の中での罪の意識の働きについて聞くと彼女は「すべてに罪の意識を感じます!」と叫びました。彼女はさらに続けて、何かが悪く進むといつも自分が悪いのだと感じると認めました。そしてすべてのものごと、みんなの健康と成功に関して自分が責任を負っていると感じると話しました。

話を続けるうちに、タミーは肉体的、言語的な虐待に満ちた子供時代を描写しました。彼女の父親はとても批判的な精神の強い厳しく管理的な人格でした。彼女が若かった頃、もし家の中に秩序と完璧さがなければ父親が爆発することに気がつきました。

土星と太陽のオポジションは彼女を野心や構造的な組織のエネルギーに結びつけました。彼女はそのような回路を持っているのです。タミーは間もなく家庭の問題をすべてうまくこなせば虐待を避けることができ、兄弟も助かることを学びました。家に関する彼女の問題解決能力は常識になっていきました。自ら進み出てものごとを行うことに自動的に責任を意識することにより彼女は自分に期待される振る舞いのハードルを上げたのです。それらの基準に届かないときには強力で虐待的な不賛同が待っていました。

こうして条件付けされた反応が生まれました。彼女は高い効率や秩序、すべてを遂行することに関する責任への信仰を不賛同の虐待に結びつけました。彼女はまた間違いを冒すこと(あるいは超効率的な状態に至らないとき)と虐待的な罰とをも結びつけました。彼女が作り出したパターンは彼女の人生に秩序や成功があり、同時に彼女が関係するみんなにもあることを確認する努力でした。

タミーとの会話の中で私たちは自分でコントロールできないまたは問題を解決できない状況におかれたときに彼女が感じるパニックや恐ろしい罪の意識に焦点を当てました。彼女はそのような問題を解決することは彼女の絶対的な責任だと感じます。今日でもやはり、周囲の世界が完全な秩序にないことを恐れます。彼女は「頭へのキス」がすぐそばに迫っており、無情なかたちでまちぶせていることを恐れています。

別のクライアント「ケイト」は、山羊座の土星と月のコンジャンクションが天秤座の太陽とスクエアになっていました。彼女もタミーと似たようなパターンを持っていましたが虐待はありませんでした。

ケイトもまたいつも罪の意識に苛まれ、とくに自身の個人的な欲求のために時間を割くときにそう感じやすくなっていました。コンサルテーションの中で彼女はカトリックの教育と「自己の誇りは誇りではない」というメッセージに影響を受けたことを認めました。彼女は自分自身には興味を持ってはいけない、なぜならそれは利己主義で器量の狭いことだからという強い信念によりプログラムされていました。

これはさらに家族と一緒に住んでいた祖母の模範にも影響を受けていました。祖母は静かな殉教の生活をしていました。コンスタントに仕事をし、休んだり自分のための時間を過ごしたりはしていませんでした。これは彼女の母親とは対照的で、母親の方は常に圧倒され混乱状態の生活を送る完全に自由な精神の持ち主でした。彼女の父親は家族に秩序がなくなったときに静かな反対の意向を放射するような厳しく統制する軍人でした。

ケイトのチャートは土星木星月の山羊座でのステリウムを抱える3ハウスを支配しています。彼女の考え方のパターンは戦略的な達成や能率へと向かう山羊座的なものでした。そしてそれはものごとを達成し進歩を管理するという彼女の月の欲求に同期していました。組織化しものごとを達成する自然な方向性があり、この方向へ献身的に努力することで報酬が与えられると彼女は感じていました。

ケイトは母親が扱えなかったような組織化されず達成されなかった課題に対処することにとても才能があることに気づき、それを通して父親の承認を得る、あるいは、少なくとも不賛同を避けることを学んでいきました。彼女は秩序が乱れている気配のないときでさえ痛々しい自己批判や罪の意識を感じる条件付けされたパターンを身につけていきました。彼女は全てのことに責任を想定したのです。

コンサルテーションを行ったとき、彼女は49歳で5人の母親でした。家事に関する終わらない仕事を背負い続けることができないのではないかということを恐れ、慢性的に罪の意識の不安を抱えた状態で生活し、彼女は疲れ果て、ストレスを感じ、感情的に消耗した状態でした。

ケイトやタミーは、ハードワークを通してものごとを達成し、進歩させ、問題を解決する土星の構造的な能率的な衝動の例です。これらの特徴が外部からの不賛同により誇張され焚き付けられました。極端な状況が作られ、どこで責任の境界が始まり終わるのかという問題が浮上しました。責任感が逆上しました。これらは、罪の意識や自己批判を避けるための痛々しい過剰達成の例です。

反対の反応、つまり達成不振もあり得ます。

太陽と月が双子座でコンジャンクションし、射手座の土星とオポジションになっているもう一人の女性のクライアントの場合は諦める振る舞いとして表れていました。初期の人生で裁定や不賛同を感じたときに意識的に失敗するというパターンがありました。子供の頃の否定性の激しさが彼女の精神を破壊したのです。彼女の自己価値の感覚は挫折に満ちていました。新月生まれの彼女は、初期の人生の難しいエネルギーに耐えるために必要な内面の推進力や衝動を見つけることができませんでした。

会話にはいつも「ごめんなさい」が入るような本能的な謝罪の言語を彼女は発達させました。彼女の土星のエネルギーは達成への挑戦には高まりませんでした。その代わり彼女は日常的に、両親から投影されていると感じたように自分は「悪」く、「価値がない」と証明し続けたのです。

罪の意識を避ける努力の代わりに、彼女は達成不振としてそれを抱きとめ、自己破壊や失敗の感覚が彼女の安心感を維持しました。彼女の罪の意識は自己価値の感覚を浸食し、とても機能不全なパターンを維持し、あたかも空間を占有する権利がないかのように感じさせ続けました。

それが浸透する責任の想定による過剰達成でも、安全を維持するために落胆を保証するための達成不振でも、この罪の意識の症状は負け戦につながります。それは本人が何を行っても負ける内面の葛藤なのです。罪の意識は、私たちが理想の自己に見合うものでなく、よりよくできた、あるいは「すべきだった」という考えにより作られる感情の状態です。

このような罪の意識のパターンを克服するには自己批判を諦めることが必要になります。積極的な自己イメージや責任(あるいは責任の一部)がどこに帰属するかに関する大人の分別を創り出す必要があります。自己受容の形成が必須です。私たちは外部の不賛同にどう反応するかということに関して自分で「選択する」ということを中心にした新しい習慣を創り出さなければなりません。

ここがセラピー的な占星術がその本領を発揮するポイントです。もし私たちが土星と太陽あるいは月の緊張を通して理解される罪の象徴やその構造の両方を理解する十分な自信があれば、彼らの振る舞いをコントロールし否定的なパターンに留めているプログラム化された反応にクライアントが気がつく助けをすることができます。私たちは罪の意識の悪循環を断ち、自分で課している重荷から自由にすることができるのです。

罪の意識のパターンについて意識化を深めると、人々は無意識に書いている許可伝票(周囲の世界に自分の気分を悪くさせてよいという同意を与えている)を破り捨てることができるのです。

(訳:石塚隆一 with miu)


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