2016/4/26 アドラー心理学と占星術の関係 (nico先生の記事) 第31号

▼ノエル・ティルJAPANニュースレター 2016/4/26

アドラー心理学と占星術の関係 (nico先生の記事) 第31号

みなさま、こんにちは!ノエル・ティルJAPANの石塚隆一です。

先日、今回の来日セミナーをご一緒に主催していただいている占術スクール・カイロンさんの10周年の懇親会に出席し、改めて、10年前吉祥寺で占星術の講座を始めた頃の気持ちを思い出しました。天晶さんの「本当によいものを広げていきたい」という熱意に刺激されながら私なりに心理占星術の理解を深められるよう工夫していました。そういえば、第一回目の来日セミナーを行なったときも、事前に少しでも理解を深めるヒントを共有しておくことができるようにと、カイロンさんの吉祥寺のセミナールームで準備の勉強会などを開催していたことなども、とても懐かしく思い出されます。

今年、再度来日セミナーを開催できることになったので、改めて初心に戻り、みなさんにしっかり理解を深めていただけるいろいろな工夫をしていきたいなと考えております!さて、今回のニュースレターでは、nico先生に心理占星術の理解を深めるヒントをいただきましょう!

▼ アドラー心理学と占星術の関係   nico

皆さま、こんばんは。今回のニューズレターを担当させていただきますnicoです。

ティル来日セミナーまで半年を切りました。今回は会場が大阪ということもあり、大阪の生徒さんとユニークな計画を進行中。また石塚氏とともに、ティルメソッドのフォローアップはもちろん、カウンセリング技法を含めた心理占星術の勉強会なども行う予定です。ティルセミナー参加の皆さま、どうぞ一緒にティル来日を盛り上げていきましょう。よろしくお願いします。

今日のテーマは、アドラー心理学と占星術の関係について。「嫌われる勇気」がベストセラーになるなど、最近注目を集めているアドラー心理学ですが、この本が社会現象になるまでは、どちらかというとアドラーは子育て指南の心理学という印象のほうが強かったかもしれません。私は当初から、このアドラー心理学の理論のいくつかを占星術の象徴イメージやカウンセリングの技法などに取り入れています。なぜアドラー心理学なのかというと、アドラーの理論は非常にシンプルでわかりやすく、そして誰もが危険なく扱える技法であり、認知療法やNLPなど現代心理学の中にまで浸透していて、即戦力として使える考え方にあふれているからです。

実は、ティルもアドラー心理学について記事を残しています。

以前、このニューズレターにも書いたことがあるのを覚えてますでしょうか。12冊のシリーズから成っているティル著「The Principles and Practices of Astrology(占星術の原理と実践)」のVol.5、「Astrology andPersonality(占星術とパーソナリティ)」。この本は今からちょうど40年前、1974年に出版された、占星術の理論の中にパーソナリティ心理学――全体としての人間の理解を深めよう――の要素を取り込むという、大胆な発想のもとに書かれた本です。

この本の第4章に、アドラーの「Superiority and Inferiority 優越感と劣等感」を紹介しています。
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アドラーがユングと異なる点は、「人は過去の経験からよりも、未来への希望によって動機づけされる」と考えたことだ。人は自分自身を未来への成長へと導くため、仮想の目的論を採用するのではないかと。この仮想の目的論は多くの人々に支持され、人々が現実と折り合う手助けとなるためのものと理解された。例えば、「人は生まれながらにして平等である」「正直が最善の策」「目的は手段を正当化する」「聖書にはそう書かれている」「必ずしもそうとは限らない」「終わり良ければすべて良し」などといった考えだ。このような目的論を持つことは、個人の行動に強い影響を及ぼす。極端になると、こうした仮想がパーソナリティを支配し、そのパーソナリティの実力が及ばないほどの高すぎるレベルの目標や、それを達成したいという欲求を作り上げてしまうことも多々ある。仮想化された目標やライフスタイルのレベルが、ホロスコープに描かれている力量を超えてしまうケースであれば、そこでは「報酬」が「フラストレーション」に置き換えられる。逆に、仮想化された目標やライフスタイルがホロスコープに描かれた力量よりはるかに低いレベルであるときは、「発達」が「達成不全」に置換される。

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アドラー心理学が現代心理学だけでなく、育児、教育等様々な分野で採用される理由として、ティルも書いているこの「目的論」にあると考えられています。

「人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある。過去の原因に縛られることなく、今を生きる目的を設定することで、人は未来を生きる力を得たり失ったりする」目的論は、認知療法では、その人を支えている“信念”という言葉で説明されますが、これを個人の人生を創造するエネルギー、太陽―火星―木星といった火エレメントの調整というテーマで考えることがでるかもしれません。

人は「なりたい自分=太陽」に向かっていく際、ある信念=木星を必要とし、そこから個人の行動=火星が生まれる。その働きが適切なら個性や推進力に、過剰に働けば、理想主義や誇大妄想、報酬に駆り立てられたストレスの多い人生に、不適切ならフラストレーションや不全感という問題につながるのではないか、そう考えることができるのではないでしょうか。

「失敗は成功のもと」という目的論を持ち人生をダイナミックに生きる者、「成功しなければ何の意味もない」という目的論のもとひたすら人生を駆け抜ける者、「成功なんて自分には縁のない考え方だ」という目的論によって成功から遠ざかる人生を選ぶ者。

これらは、すべて個人を中心とした目的論という考え方です。今の問題を確認したうえで、個人が今の自分にふさわしい適切で等身大の目的論を持てるよう、太陽―火星―木星エネルギーを中心に天体のバランスを整え、象徴の書き換えの手伝いをする。そのように、私はアドラー心理学の目的論と心理占星術を融合させ、現場で使っています。

簡単に説明してみましたが、ほんの一例です。それ以外にも逆行と劣等コンプレックスの話など、アドラー心理学の理論は、うまい具合にホロスコープの象徴と結び付けて考えることができる優れものなのです。未来意識=太陽を高め、個人を個人らしく成長させることができますし、また所属=月を育てる感覚も学ぶことができる、これがアドラーの個人心理学のすばらしい考え方です。

もっともっとたくさん伝えたいことがありますが、長くなるのでまた今度。

そうそう、春分の日に心理占星術WEBサイトnicoPla.netを立ち上げました。私の生徒さん、心理占星術のための実験室ニコラボの仲間たちの記事はもちろん、石塚氏の記事もこちらで読むことができます。

http://nicopla.net/

新しい記事続々更新中!お時間があるときに覗いみてください。それではまた、ニューズレターでお会いしましょう!

▼ノエル・ティルJAPANニュースレター

▽本日の【ノエル・ティルJAPANニュースレター】はいかがでしたか。

5月には、イギリスの占星家スートンプキンズ先生も来日します。いろいろな機会を利用して心理占星術の理解を深めていけるとよいですね!このニュースレターに対するご意見・ご質問などは、ryuz@rr.iij4u.or.jpまでお送りください。

皆さんにとって、素敵な1ヶ月になりますように。次回もご期待ください。

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