2014/05/03 ティル理論と心理学の関係 第9号

▼ノエル・ティルJAPANニュースレター


2014/05/03 ティル理論と心理学の関係 nico先生 第9号


こんにちは、ノエルティルJAPANのユピテルジョージです。

ゴルデンウィークいかがお過ごしでしょうか?

今日はノエル・ティルJAPANのnico先生が初登場!!ティル先生の心理占星術の背景にある「心理学」について、nico先生が分かりやすく紐解いていきます!どうぞお楽しみください!


★ティル理論と心理学の関係 nico先生


こんにちは、nicoです。

皆さん、占星術のお勉強は進んでいますか?

今回の来日セミナーは会場がお台場、また石塚氏が翻訳を手掛けている「TheCreative Astrologer」が出版されるということもあり、何か新しいことが生まれそうな予感がしています。どちらも本当に楽しみですね。

先日、「ティル先生の来日までに、チャートが読めるようになりたい」という方が勉強にいらっしゃいました。「心理占星術―コンサルテーションの世界を買って読んでみたのだけれど、内容がよくわからなくて…」ということでした。実はこの感想、よく耳にします。ティル先生のホロスコープ分析のためのステップは非常にシンプルなもの――例えば半球の強調、太陽と月のブレンド、成長のための緊張のアスペクト等――が多いのですが、それらをさらっと学習して理解できるかというと、それがなかなか難しかったりするのです。なぜかというと、ティル先生のシンプルな分析プロセスの背景には、かなり高度な心理学的体系が隠れているからなのです。ティル先生は心的力学の広範にわたる学びをとおして、あのような分析プロセスにたどり着いたということですね。

その点を知ってもらいたいという思いもあり、1年ほど前に石塚氏やティル勉強会の仲間たちと、1冊の本を出版しようという計画が上がりました。12冊のシリーズから成っている「The Principles and Practices of Astrology(占星術の原理と実践)」のVol.5、「Astrology and Personality(占星術とパーソナリティ)」です。この本は今からちょうど40年前、1974年に出版された、占星術の理論の中にパーソナリティ心理学――全体としての人間の理解を深めよう――の要素を取り込むという、大胆な発想のもとに書かれた本です。

第1章のクルトレヴィン「Gestalt Field Theoryゲシュタルトの場の理論」から始まって、第2章はユング「Attitudes and Functions態度と機能」、第3章はマレーとマズロー「Needs 欲求」、第4章はアドラー「Superiority and Inferiority 優越感と劣等感」、第5章フロイト「The Unconscious 無意識」と続きます。

例えば、第1章のゲシュタルト理論を占星術のハウスの考え方につなげて、ティル先生はこのように書いています。

ホロスコープは、そのようなパーソナリティの「場」を表します。ドイツ語で、占星術用語の「ハウス」は、フェルト(Feld)といい、場(field)を意味するのです。パーソナリティの全体性が経験の場に分けられるのと同様に、ホロスコープはゲシュタルト、つまりパーソナリティの「構築された全体の形態」です。それは現実を表すひとつの方法論なのです。

場の理論――「自分は場の中にいる」と共に「場を構成する一部」でもあると、「内側の自分」と「外の世界」が創造的な関係を持つことを重視する――を理解することで、ハウスもより学びが深まるということですね。

ティル先生は、月何冊か心理学や自己啓発に関する本を読むよう言います。それは、ホロスコープの理解を深めてくれるだけでなく、現場でのクライアントへのアドバイスに非常に役に立つからです。マスターコースでも「家族問題の洞察に役に立った本をいくつか挙げよ」という課題があります。こちらの翻訳本は、先の「The Creative Astrologer」の出版を待ってからということになりました。いつか皆さんにお披露目できる日が来ると思います。

最後に、ティル先生にお墨付きをもらった心理学の本、M・スコット・ペック「愛と心理療法」のご紹介です。この本は私の20年来の愛読書です。「人生は困難なものである」から始まるこの本は、私のコンサルテーションの現場を支えてくれています。特に、土星がトランジットしているクライアントの鑑定の際、この本に書かれていることを伝えることが多いです。なぜなら、相談内容によっては、どうしても良い話だけできるわけではない時があるのです。現実的な話をしなければならない時、自分自身が変わっていかなければならない時、本人にとって厳しく聞こえるようなことを伝えなければならない時、この本の言葉を指針にすることで、勇気を持ってコンサルテーションに臨むことができています。

皆さんもぜひ、人間理解を深める本を手に取ってみてください。きっとティル先生のホロスコープ分析の理解も深まるはずですし、またホロスコープ解釈もさらに磨きをかけることができるはずです。

nico


★ニューヨークプレミアムインタビュー


ニューヨークからお届けする3回シリーズのプレミアムインタビュー。今年の来日セミナーのテーマでもある「クリエイティブアストロロージャー」について、とても分かりやすく理解できるビデオです。こちらもどうぞお楽しみください。

【プレミアムインタビュー vol.01】クリエイティブアストロロージャーとは?

▼インタビューの視聴はこちらから

【プレミアムインタビュー vol.02】従来の占星術と、新しいノエルティル式心理占星術の違いについて

▼インタビューの視聴はこちらから

【プレミアムインタビュー vol.03】ノエル・ティル式占星術における「家族関係について」

▼インタビューの視聴はこちらから


★編集後記


今回もとても読み応えのあるコラムでしたね! 今回、nico先生からコラムを受け取り、驚いたのですが、M・スコット・ペック「愛と心理療法」は、私も大学生時代に、非常に大きな影響を受けた本でした。

「愛と心理療法は」当時大失恋のさなかにあった学生時代の私に、「愛することとは何か」について、とても深く考えさせ、今の私の考え方の基盤を作った大事な本の一つでした。エーリッヒ・フロムの「愛するということ」とともに、深く読み込んでいった記憶は、私自身の青春の大事な1ページになっています。

人生を大きく変える書籍なので、手にとって読み込んでみてください。本当に深い気付きを与えてくれるでしょう。

それでは次回の配信もどうぞお楽しみに!

ユピテルジョージ


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▽本日の【ノエル・ティルJAPANニュースレター】はいかがでしたか。皆さんにとって、素敵な2週間になりますように。次回もご期待ください。

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